等差数列の和、周期算、階差数列など、中学受験の頻出パターンをランダムに出題します。
「数列・規則性」は、並んだ数字からルールを見つけ出し、遠く離れた場所の数や合計を求める単元です。中学受験算数の中でも特に応用範囲が広く、図形の個数や周期的なできごとを数える問題など、姿を変えてさまざまな単元に登場します。 このページでは、代表的な5つのパターン(等差数列・等比数列・階差数列・周期算・特殊な数列)について、それぞれの見分け方と解き方を解説します。
そもそも「数列・規則性」の問題とは
数列の問題では、まず「どんなルールで数が並んでいるか」を見つけることが最初の一歩です。代表的なルールは、次の5つに分けられます。
- 等差数列:隣り合う数の「差」がいつも同じ(例:3, 7, 11, 15…)
- 等比数列:隣り合う数の「比(倍率)」がいつも同じ(例:2, 6, 18, 54…)
- 階差数列:数どうしの「差」自体が、さらに規則的に変化する(例:1, 2, 4, 7, 11…)
- 周期算:いくつかの数がひとかたまりになって、くり返し登場する(例:2, 5, 8, 2, 5, 8…)
- その他の特殊な数列:平方数(1, 4, 9, 16…)やフィボナッチ数列(1, 1, 2, 3, 5…)など
どのパターンかを見極めるコツは、「まず差を計算してみる」ことです。差が一定なら等差数列、差が規則的に変化するなら階差数列、同じ数のかたまりがくり返されているなら周期算、というように絞り込んでいけます。
基本の解き方:等差数列の「N番目」
等差数列のN番目を求めるときは、「1つあたりの増え方(公差)」×「動いた回数」という考え方を使います。
- まず、いくつずつ増えているか(公差)を確認します。
7-3=4、11-7=4、15-11=4。4ずつ増えていることが分かります。 - 「10番目」までに、何回増えたかを数えます。
1番目(3)から10番目までは、増える動作が9回(10-1)あります。 - 最初の数に、増えた分を足します。
3+4×9=3+36=39。これが10番目の数です。
「N番目」を求めるときは、いつも「N番目まで」ではなく「N-1回分」増えることに注意しましょう。1番目はまだ1回も増えていないので、ここでズレるミスがとても多いポイントです。
応用:等差数列の「和」を求める(ガウス算)
数列の和を求める問題は、俗に「ガウス算」とも呼ばれます。ドイツの数学者ガウスが小学生のころ、「1から100までをすべて足しなさい」という問題を出され、通常とは違う工夫で瞬時に答えを出したという逸話が伝えられています(この逸話の細部については諸説あるとされています)。
- 両端から順にペアを作ります。
1と10、2と9、3と8…というように組み合わせると、どのペアも合計が11になります。 - ペアの数を数えます。
1〜10の10個の数字から、5組のペアができます。 - ペアの和×ペアの数、で計算します。
11×5=55。
このドリルで扱う一般的な等差数列の和も、同じ考え方です。(初項+末項)×個数÷2という公式は、「(1つのペアの和)×(ペアの数)」を、どんな個数でも使えるように整理したものです。
階差数列の解き方
階差数列は、数字どうしの「差」自体が規則的に変化するパターンです。まず「差の数列」を作ってみることが解くカギになります。
- 隣どうしの差を計算し、並べてみます。
2-1=1、4-2=2、7-4=3、11-7=4。差が「1, 2, 3, 4」と、1ずつ増えていることが分かります。 - 次の差を予測します。
差が1ずつ増えているので、次の差は5になるはずです。 - 最後の数に、次の差を足します。
11+5=16。
周期算の解き方
周期算は、同じかたまりがくり返される数列です。まず「何個で1つの周期になっているか」を見つけ、それを使って割り算で位置を特定します。
- くり返しの単位(周期)を見つけます。
「2, 5, 8」の3個が1つの周期になっています。 - 周期の長さで割り算し、あまりを求めます。
20÷3=6あまり2。 - あまりの数を使って、周期の中の位置を特定します。
あまり2は、周期の中の「2番目」を意味します。「2, 5, 8」の2番目は5です。
割り切れて「あまりが0」になる場合は、周期のちょうど最後(この例なら3番目の「8」)にあたる、という点に注意してください。
平方数・フィボナッチ数列などの特殊なパターン
入試では、上記4つに当てはまらない、特別な名前のついた数列が出題されることもあります。代表的な2つを紹介します。
- 平方数(1, 4, 9, 16, 25…):同じ数を2回かけた数(1×1, 2×2, 3×3…)が並ぶ数列です。ある数を2乗した形になっているかどうかを疑ってみましょう。
- フィボナッチ数列(1, 1, 2, 3, 5, 8…):直前の2つの数を足すと、次の数になる数列です。自然界の植物の並び方などにも見られることで知られています。
よくある間違い
何年生で習う?レベル別の目安
以下はあくまで一般的な目安です。塾や教材によって、習う時期や呼び方には幅があります。
| レベル | 目安学年 | 出題傾向 |
|---|---|---|
| 等差数列(N番目・和) | 4〜5年生〜 | 数列の基礎。他の単元(図形数列など)にも応用される。 |
| 階差数列・周期算 | 5年生〜 | 「差の規則性」や「割り算のあまり」を使う、思考力重視の問題。 |
| 特殊な数列(フィボナッチなど) | 5〜6年生・難関校対策 | 初見の規則性を自分で発見する力が問われる応用パターン。 |
保護者の方へ:家庭での教え方のコツ
数列の問題は、「公式に数字をあてはめる」だけで終わらせず、「なぜその式で求まるのか」を毎回説明できるかを確認してあげると、応用力が定着しやすくなります。
- 差を書き出す作業を習慣化する:数列が出てきたら、まず数字の下に差を書き込む癖をつけると、どのパターンかを見極めやすくなります。
- ペア作りを実際に手を動かして確認する:ガウス算のペア作りは、小さい数(1〜10など)で実際に線を引いて確認すると、公式の意味が体感的に理解できます。
よくある質問(FAQ)
まとめ:数列は「差」に注目する単元
数列・規則性の問題は、種類が多く難しく感じられますが、すべて「差を計算してみる」ところから始まります。等差数列・階差数列・周期算のどれに当てはまるかを見極める練習を重ねれば、初めて見る規則性の問題にも対応できる力がついていきます。
中学受験算数の特殊算を単元別にまとめたページも用意しています。「中学受験算数 特殊算まとめ」はこちらから、つるかめ算・旅人算・植木算など他の単元もあわせてチェックできます。
「数列・規則性」ドリルの活用方法
このドリルでは、そうした基礎的な公式の運用力と、周期(サイクル)を見抜く力を徹底的に鍛えることができます。5つのパターンがランダムに出題されるので、パターンの見分け方そのものを練習するのにも向いています。
【このドリルの活用方法】
- 公式と理屈を結びつける:「はじめの数 + 差 × (N-1)」という公式を覚えるだけでなく、なぜ (N-1) なのか(間の数が1つ少ないから)という理屈を意識しながら解きましょう。応用力が身につきます。
- 周期に丸をつける:周期算の問題では、繰り返されている「ひとかたまりのグループ」を見つけ、実際に鉛筆で丸く囲む作業を行ってください。視覚的に整理することで、計算ミスを大幅に減らせます。


